鈍行

電車に乗るとき普通早い方、鈍行よりも急行に乗るのが普通だろう。それがいつもの通学通勤の電車なら尚更だ。 見知らぬ土地にいけば、鈍行に乗るのも楽しいはずだが、観光でもスピードが求められている。少し余裕のない気がするのだ。 よく、面白すぎてペー…

『トニオ・クレーガー』トーマス・マン

はじめてのマンの作品となった。 マンは他にも持っているのだが、なかなか読む機会がなく、積んだままになっていた。 しかし、マンの自伝的小説と呼ばれる『トニオ・クレーガー』が新訳で発売されるということで、ようやく手に取ることができた。 私が思うマ…

『箱船の航海日誌』ウォーカー(光文社古典新訳文庫)

「箱船」という文字からわかるように、聖書のノアの方舟を題材とした物語だ。 聖書では、神は人間の堕落に怒って、大洪水を巻き起こし人類を滅亡させようとするのだけど、品行方正なノアだけは助けようと、ノアに巨大な方舟をつくるように命じる。 ノアが600…

村上春樹『風の歌を聴け』

台風が近づいていた夕方。 吹きつけた風に僕の生も流れていった。 一生懸命に働いていても、ボーっと過ごしていても時間は過ぎ去って行く。 風は時間の流れを教えてくれているのだろう。風車のように時計は回る。 青春に吹く風は台風のように荒々しく不安が…

京大式カード

どういう風に本を読むか。 どうやってメモやノートをとるか。 何度も試行錯誤したがいまいちハマらない。 昨日はメモパッドを探しに丸善に行った。 「京大式」と書かれたB6サイズのカードが置いてある。 これは梅棹忠夫が『知的生産の技術』で紹介している記…

ホセアの預言

預言者の一人、ホセア。 彼の預言は、王国の腐敗に対する断罪をもって語られる。 わたしは、かれらを死から救うことがあろうか。 死よ、おまえの災いはどこにあるのか。 陰府よ、おまえの滅びはどこにあるのか。 あわれみは、わたしの目から隠されている。 …