2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧

鈍行

電車に乗るとき普通早い方、鈍行よりも急行に乗るのが普通だろう。それがいつもの通学通勤の電車なら尚更だ。 見知らぬ土地にいけば、鈍行に乗るのも楽しいはずだが、観光でもスピードが求められている。少し余裕のない気がするのだ。 よく、面白すぎてペー…

『トニオ・クレーガー』トーマス・マン

はじめてのマンの作品となった。 マンは他にも持っているのだが、なかなか読む機会がなく、積んだままになっていた。 しかし、マンの自伝的小説と呼ばれる『トニオ・クレーガー』が新訳で発売されるということで、ようやく手に取ることができた。 私が思うマ…

『箱船の航海日誌』ウォーカー(光文社古典新訳文庫)

「箱船」という文字からわかるように、聖書のノアの方舟を題材とした物語だ。 聖書では、神は人間の堕落に怒って、大洪水を巻き起こし人類を滅亡させようとするのだけど、品行方正なノアだけは助けようと、ノアに巨大な方舟をつくるように命じる。 ノアが600…

村上春樹『風の歌を聴け』

台風が近づいていた夕方。 吹きつけた風に僕の生も流れていった。 一生懸命に働いていても、ボーっと過ごしていても時間は過ぎ去って行く。 風は時間の流れを教えてくれているのだろう。風車のように時計は回る。 青春に吹く風は台風のように荒々しく不安が…